Tammy

ラ・ラ・ランドのTammyのレビュー・感想・評価

ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)
4.3
やっとこの映画についてレビューを書く番がまわってきた。
人生のベストムービー10選に入る大傑作。

まずは、音楽のみのいわゆるミュージカルシーンと、ストーリーを進める日常シーンのバランスがちょうどいい。これが過度に歌を強調する映画だったら、きっと食傷気味になっていただろう。

あとはエマストーンとライアンゴズリングのカップルがこれまた素敵。
ララランド自体が「おとぎの国」を根底に敷いた上に「現実」を映し出した映画なんだけど、この2人だけでそれを如実に表せている。
つまり、くたびれた現実世界に住む、現実的な範囲の美男美女が、現実的に出会って恋をしていくように見えて、奥底にどこかこれは「夢物語」だと教えてくれるような非現実感がある。

そして秀逸なのはラストシーンでしょう。
現実世界でコーティングした「おとぎの国」のお話だから、最後まで夢物語で終わると思いきや、そんなことはない。
最後の最期の数分間で、一気に現実の世界に引き戻される。
この映画の最大の魅力は、個人的には99%ここにあると思う。
古き良きハリウッドといえば幸せなハッピーエンドなのに、それをあえて破り、現実を見せてくる。
その現実の苦みとともに、観客が自身の生きる世界を再び確認し、そこで歩き続ける覚悟を持ちながら映画館を後にできる。

あとこれはどこかのレビューで読んだ受け売りだけど、すごく秀逸な考察があった。
自分の具体的な夢をあらかじめ持ってそれを「たぐり寄せた」セブに対して、漠然とした憧れに自分自身を変化させながら近づけていったミアは相反する存在であり、交わることはあっても決して同じ人生を歩んでいくことは出来ないと。
そのことを聞いて本編を見返した時の儚さたるや。