言わずと知れた作品ですが、実は、ミュージカル映画は好んで観てはいませんでした…
伝統ともいうべきアメリカ映画のミュージカル作品。このジャンルはまだまだいろいろな切り口があるんだってことを教えてもらえました。
ミュージカル映画は大抵ハッピーエンドミュージカルで終わるけど…
現実はミュージカルのようにはならないんだということを、ミュージカルという表現方法を使っているところがこの映画の魅力だと思ういます。
作品は、女優を夢見るミア(エマ・ストーン)とジャズの店を開く夢をもつピアニスト セバスチャン(ライアン・ゴズリング)の夢追いストーリー。
デイミアンチャゼル監督のストーリーテリングは素直で、するっと心に入ってきて好き。
冒頭のハイウェイを封鎖したダンスシーンで一瞬に引きこまれる。
ワンカットでこのダンスシーンを撮っているのが素晴らしい。
ライアン・ゴズリングとエマ・ストーンのふたりが踊る夜景のみえる丘でのシーンもワンカットで素敵過ぎる。
セバスチャンがレストランで勝手に曲を弾いてクビを言い渡されるオーナーがなんと、「セッション」のJ・K・シモンズなのにはびっくり!
思わずまた、殴られるのかと(笑)
ふたりが最悪の出会いから間もなく恋に落ちるのですが…
愛よりも夢を追いかけた二人の別れは日本人的恋愛美学とはちょっと違うのかと思うけど…
ラストに向けた、お互いにとっての最善を選択したが故の後悔と憂い。
二人がそれぞれ別に歩んだ人生でありながらも、セバスチャンが思い出の曲を弾いている時間だけつかの間の恋人に戻った「もう一つの夢」の妄想に浸りこれ以上ないほどミュージカルの華やかさに満ちていて感動してしまった。
そして、ラストシーンのお互い夢を叶えたことを祝福し合うふたりの視線、笑顔のエールを交換するシーン…
思わず、涙が流れて止まらなかった…
ハッピーエンドではないので、幸せな気分というわけにはいかないけど、
人生って何かを手に入れるにはなにか手放さなければならない。
そんなこともあるよね!って明る気持ちで観終わることができます。
これからも、何度も観たくなる作品のひとつになりました♪