MasaichiYaguchi

インクレディブル・ファミリーのMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

4.1
前作から14年振りの続編であり、ピクサーにとって記念すべき20作品目である本作は、アニメーションの二次元としての可能性を最大限に引き出しながら、単なるスーパーヒーロー物だけじゃない魅力に溢れている。
ブラッド・バード監督が続投した本作は前作から上手くストーリーを繋げて、マーベルやDCコミックスの映画化作品で描かれてきたパワフルでスケール大きいアクションや、スーパーヒーローが抱く悩みや葛藤までも網羅しながら、更にコミカルでエモーショナルなファミリー物としての要素を加味している。
「スーパーヒーロー保護プログラム」という悪を退治するヒーロー活動が〝違法〟になってしまう不条理な社会で、Mr.インクレディブル一家は正体を隠して日々を過ごしていたが、ある切っ掛けで母ヘレンがイラスティガールとして第一線に復帰する。
そのことによって父ボブが、赤ちゃんジャック・ジャックの育児をはじめとした家事を担当する主夫になるのだが、描かれた一連の思わず吹き出すエピソードに主夫を経験したことのある男性だったら、〝あるあるネタ〟として同情してしまうと思う。
スーパーヒーローの時よりも主夫業に悪戦苦闘して追い込まれるボブだけでなく、復帰後、スーパーヒーローとして大活躍するヘレンも意外な悪の黒幕登場で、夫婦共々絶体絶命のピンチに陥っていく。
ここからの怒涛の展開は、様々なスーパーパワーを発露したジャック・ジャックの活躍をはじめとして家族の絆が遺憾無く発揮される。
家族が一堂に揃う夏休みやお盆休み、この作品を通して家族の絆、その素晴らしさや温もりを改めて感じる人々がいそうな気がする。