yumeayu

インクレディブル・ファミリーのyumeayuのレビュー・感想・評価

4.0
Mrs.イラスティガール

まさかの続編。
しかも、あの思わせぶりなラストシーンで終わった1作目の直後からスタートするから驚き!
アンダーマイナーって、噛ませっぽいと思ってたけど、なかなか手強かったですね!

物語上は地続きですが、実際は14年も経っているため、その間に世の中の夫婦の関係性も様変わりしました。
前作ではボブが働きに出て、ヘレンが家事と育児をするという役割でしたが、今作では世相を反映してか、ボブが家事と育児を、ヘレンが外に働きに出ます。こういった、時代を反映する目利きの良さはさすがピクサーといったところか。

ヘレンこと、イラスティガールのアクションはクール&スタイリッシュでした。
ゴムの身体を活かしたアクションは、力押しのインクレディブルに比べてスピード感があってカッコよかった! スパイダーマンみたいでした。
そして、何でしょうか妙にセクシーなんですよね。バスローブから足をチラッと覗かせちゃったりして。しかも人妻ですし(意味深)。
女性は家庭から外に出るとこうも変わるものなんですかね〜。

後半は家族力を合わせて団結して悪に立ち向かいます。個人的にはダッシュの活躍するシーンが少なかったのが残念でしたが、ヒーローのサラブレッドであるジャック・ジャックがその能力の片鱗を見せてくれました。

今作では家族というテーマに加えて、スーパーヒーローと一般人(メディア)との関係性や、スーパーヒーローの責任みたいなものにも触れています。

「ヒーローがいると人々は頼りすぎてしまう」という悪役のスクリーンスレイヴァーが唱える思想や行動理念はなかなか筋が通ってるなとも思ったりして。
ヒーローを法律で縛るところは、「アヴェンジャーズ」や「ウォッチメン」を彷彿させるし、ヒーローの責任は「バットマン」などを思わせる。

この辺りはマーベルをはじめとするアメコミ映画の焼き直しみたいな印象も受けるが、元来アメコミへのオマージュが強い作品ということや、エンターテイメントに比重を置いて、重苦しく取り上げてないこともあって、あまり気になりませんでした。

惜しむべくは、スーパーヒーローの正しい在り方を一般人に示すのであれば、インクレディブ一家やフロゾンだけではなく、他のヒーロー達にももっと活躍の場があれば申し分なかったですね。

前作が完璧すぎたため、続編に多少の不安もありましたが、そんなことは杞憂に終わるほどの出来栄えでした。ストーリーの展開的に第三弾も期待できそう。

できることなら、どうか14年も待たせないで下さい…。
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