14年ぶりの続編、待ってましたっ!
なんだけれど、これはなかなかの問題作wさすがブラッドバード。ブレてないぜ。
爽快楽しい!ジャックジャック可愛い!という手放しに喜んで良い作品じゃないでしょ、コイツはー、、。でも、嫌いになれないw
「ダークナイト」(08)やMCU(アイアンマン(08))の勃興以前の2004年。
ある意味コミックヒーロー映画冬の時代、アメリカンコミック黄金期のビジュアルを現代解釈でブラッシュアップし、アランムーア「ウォッチメン」(映画化09)のテーマやファンタスティックフォーのコンセプトを発展させつつ、CGアニメだから出来る表現や技術をふんだんに使ったエンターテイメント作品として天才ブラッドバードが仕上げた前作。
これがなければ今のコミックヒーロー映画の潮流はなかったと断言出来る絶対的重要作である事は間違いなく。自分もピクサー作品の中でも1.2を争うほど好きな作品。
しかし、実際に観てくれればわかりますが、ヴィランのキャラクターの出自や最終的な扱いを見るにつけ、ブラッド・バードの先鋭的というか、ある意味「子供向け」アニメには似つかわしくない思想性に少しばかり暗いものを感じないでもなかったのですが。
その後のブラッドバードのキャリアの浮き沈みとそのフィルモグラフィーで浮かび上がってくるものはその不安をある意味補完するものであったりもして。
さてさて、そんな所での本作。これが、またw
今度のヴィランの名前ズバリScreenSlaverlyですからね。攻めてきてます(観客に。)
御丁寧に彼自身による御高説も御座います。
「天才による所業を黙ってお前達は観ておけ」と言わんばかり。
しかし、そこは14年の歳月、ブラッドバードの作家的成長に寄ったヒーローたちによる「正しい」回答がっ?、、、、てこともなくw
結局「スーパーヒーローはスーパー故に正しくて、勝ちました」という結論なのか?
「家族が1番大事」というテーマでぼやけているけれど、なんらかの形で家族を無くしたり、欠落を抱えた者たちの苦悩はどうなってしまうのだろう。と、つい考えてしまうのは、自分も「そちら側」の人間だからなのかなぁ。
と、そんなこんな、まぁ引っかかるところはあるものの、やっぱりブラッドバードis天才。憎らしほどに面白いんですわ、作品は。
イラスティガールによるバイクチェイスシーンのアニメーションならではのムーヴとハイスピードのアクションは気持ちいいことこの上ないし、スクリーンの激しい明滅の中繰り広げられる肉弾戦の映像って、どんだけのCG処理がされているのやら、、
ブラッドバードのお得意のスラプスティックコメディセンスが爆発するジャックジャック関係のエピソードは、分かっちゃいるけれど、愉しいんだよなぁ。
前作に続いてのスパイアクション映画を彷彿とさせるビッグバンドジャム中心のサントラも最の高です。(エンドロールの60年代ディスコムーブメント直前ソウル歌謡風のフロゾンのテーマとかいちいちセンス良いんだよなぁ。サントラ買おっ)
悔しいけれど、やっぱ天才。もーこうなったら、今回棚上げになった「宿題」の回答は次作に持ち越しっ!作品のクォリティと合わせて、納得出来る答えをヨロシクお願いしゃス!!