gunner16

インクレディブル・ファミリーのgunner16のネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます

今作のタイトルは「インクレディブル・ファミリー」ではあるが、家族をテーマにできていたのは前作の方だったと思う。

前作からの続編ということで、今作では最初からヒーローモード全開のボブたちの活躍が描かれるのかなと思いきや、ヘレン以外はヒーロー活動をせず、ボブの育児シーンが描かれる。ヒーローとしては優秀でも父親としてはなかうまくいかず、さらに妻ばかりが活躍する状況に焦りや怒りを爆発させるシーンがあり、ちゃんと主人公の人としての側面に焦点をあてており良かったと思う。
ただ、反省するボブを思春期のヴァイオレットが妻のように優しく許したり、警戒心の強いヘレンをはじめ、特殊能力を持つヒーローたちが次から次へとあっさり洗脳されたり、ジャックジャックがトンデモ万能ぶりを発揮して問題を解決したり、話がうまくいきすぎる感が否めない。前作と異なり家族で一体となって問題を解決することがないので、タイトルにも疑問が残る(日本の配給会社のセンスの問題かもしれないが)。ピクサーはアニメーションも素晴らしいが脚本が良いところがもっとも評価できるポイントだったので、今作に関してはちょっと残念な出来だった。
キャラの強い登場人物でもいてくれればよかったかもしれないが、こちらも前作に比べて変わりばえしないので、あまり面白みがなかった。次回作に期待したいが、次回作がつくられるのかは微妙な気がする。もし次回作があるならば、成長したヴァイオレットとダッシュと、ジャック・ジャックとの能力の優劣によるコンプレックスなどを描く作品ができそうで、そちらの方が面白そうである。
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