これは泣いた。
少年が町で一人ぼっちになり、遠いオーストラリアで養子になるまでを、非常に丁寧な作りでじっくり描いているのでとてもわかりやすい。
そして大人になってからも、インドの少年時代のかすかな記憶の封印が解け、インターネットで記憶の足跡を紐解いていく様子を、恋人や親との距離を縮めながら丁寧に描いていて好感度の高い作品だった。
最後には涙をおさえることができずぼろぼろと泣いてしまった。
主演のデーヴ・パテールがかなり良かった。素朴な演技が心を打つ。この人好きだな。
社会環境、宗教観、家族観の違いや民族に関わらない養子など、日本で目の当たりにすることの少ない問題についてわかりやすくまとめられていたと思う。
子供に住所や電話番号を教える必要性は強く感じた。
最近の子供はスマホがあるため、自宅の電話番号や親の携帯を暗記していないケースが多いと聞いた。LINEがあるとなかなかね。
でも、誘拐、地震災害などで身一つになる可能性はゼロではない。子供に身を守る術を教えるのは大人の責任でもある。
日本は識字率ほぼ100%だし、自分の名前さえ言えれば何とかなりそうではあるけど。
公衆電話は過去の遺物となっているけど、緊急時のライフラインとしては必要性があるなと実感。
ヨーロッパのほうでは、白人がアフリカ系やアジア系の子を養子にしている光景は珍しくないと聞いた。日本ではまだその選択肢はあまりないけど、いつかはそうなっていくのかもしれない。田舎のほうではよく、地域で子供を育てるなんて言う。それが地球規模になっているんだなと、日本にいると見えにくいことを知ることができた。
これは良作!