インドで迷子になってしまった5歳の少年が、25年後にGoogle Earthで故郷を探し出したという、現代にしか起こりえない実話。
ユニセフさん主催、原作者（＝実話の主人公）のサルー・ブライアリーさんが登壇された試写会に参加させて頂きました。
こんな奇跡としか思えないストーリーの主役の方からお話を伺える素晴らしい機会を頂けて本当にうれしかったです。ありがとうございました。
【サルー・ブライアリーさんのお話】
迷子になってしまった瞬間の地面にたたきつけられたような心境、
５歳で故郷も説明できず、言葉もわからない（ヒンドゥー語しか話せずベンガル語が理解できない）状況で一人で生活していたときの状況、
実のお母さまと対面したときの言い表しようのない衝撃と感動、
素晴らしい養母さまに引き取られたことへの感謝と、それを受け、今後さらに日本のような国でも「養子」というシステムに寛容に、オープンになっていってほしいこと。。。
とてもここでは書き切れない量（と、熱量）のお話をしてくださりました。
御本人のお話を伺うと、映画も短く感じてしまいます。あと１時間観たかった。原作を必ず読もうと決心しました。
【映画】時系列に…。
各所で絶賛されていますが、オーストラリアのご夫妻に引き取られるまでのサルー少年を演じたサニー・パワールくんが素晴らしいです。
インドで家族と暮らす屈託のない素顔から、巨大な世界で迷子になった時の不安と困惑の表情、逃げる必死の形相、そしてご夫妻に引き取られた時の不安と期待が入り混じった表情から次第に打ち解けていくまで、本当に自然で、見事としか言いようのない演技をされていました。これがデビューなんて思えない…(T_T)
そしてサルー青年を演じたデヴ・パテル。スラムドッグ・ミリオネアを超える代表作だと思います。
ただ素直にまっすぐ育ったわけではない、自身のアイデンティティに悩み苦しむ表情はこちらも観ていて辛くなってしまいました。それでも希望を捨てずに、様々な悩みを抱えながら実の母親を探し続ける姿は全編通して素晴らしかったです。
そして私が一番感動したのは、ニコール・キッドマン演じる養母スーの出演シーン。
登場する場面は決して多くありませんが、サルーを引き取ったときの希望あふれる表情から、自身の「息子」にひたすら愛情を注ぎ続け、息子（たち）の成長や葛藤に思い悩む終盤まで、母親の心境と表情の変化を体現されていました。
御本人の写真を見ても、これはニコールにしか出来なかったと思います。
昔から大好きですが、本当に良い女優さんだなぁ…と感動しました。
とにかく「奇跡」としか表現できない実話、本は読まなければと思わせられました。
もし間に合ったら、書籍を読んでからもう一度鑑賞したいです。
