くまくま

LION ライオン 25年目のただいまのくまくまのレビュー・感想・評価

3.0
主人公の幼少期を描いた前半と自分の原点を探しにいく後半の2部構成。
前半は主人公の視線から家族の愛情と当時のインドの1つの側面‐貧困、ストリートチルドレン、鉄道等のインフラ問題‐が淡々と描かれている。主人公の行動力と何よりも瞳の力強さが印象的。
後半は義弟との問題はあるものの優しい養父母や彼女に囲まれて不自由ない生活を送っていた養子先のオーストラリアでふとしたきっかけから自分の原点に立ち返る「旅」を始める主人公。
他人から見れば満たされているとしても、欠けている「何か」が見つからないと人は不安定なままなのかもしれない。主人公だけでなく養母・実母も最後はその欠片が見つかったのだと思いたい。
作品の秘密が明かされるエンドロールがこの作品の終着駅。
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