赤足

LION ライオン 25年目のただいまの赤足のレビュー・感想・評価

3.8
これは真実の物語である・・・
の冒頭から始まる物語、幼少時にインドで迷子になり、オーストラリアで育った青年がGoogle Earthを頼りに自分の家を捜すといったお話。実話を元にしたということで、前情報なしで鑑賞したがなかなか骨太で様々なメッセージと現代のアジア圏内で抱える社会問題のテーマを盛り込み、重いテーマにも関わらずヒューマンドラマに上手く仕上げた監督やキャスト達には拍手を贈りたくなった。内容的もには見応え充分で、特に幼少期から青年にかけて忘れかけ、いつも何処か心の片隅に感じていた。過去の自分と兄や母親の存在。解き放たれた過去の記憶と子供を突如失った家族の気持ちを代弁するシーンは胸が締め付けられそうになり、母や兄の幻覚に取り憑かれ自分や恋人、育母や父さえ遠ざけ、やり場のない気持ちや心の葛藤に苛まれる主人公サルーの姿もまた見ていて苦しくなるようであった。事実ということで、昔なら紙の地図や現地に行って探すような話になっていただろうが、そこは21世紀(笑)インターネットの普及でGoogleEarthという部分を使ったのは新しく、現代だな~っと思ってしまった。ただの、自分のルーツを探す物語ではなく、家族という意味もテーマとしては大きく、育母でオーストラリアでサルーを育てた母親の考えは特にこの作品の中でも大きな意味を示しており、母親演じるニコール・キッドマンが聖母に見えるほど感慨深く、ある意味感銘を受けた!そして主人公のサルーと兄の線路を歩くシーンは特に印象的であり、ウルッときてしまた。見終わった後は色々と余韻が残り考えさせられるだろう、それからタイトルの「ライオン」の意味、その訳は最後に分かり、なるほどっと思うはずだ(笑)
赤足

赤足