このレビューはネタバレを含みます
幼いサルーがことのほか愛らしい。たとえ貧しくても、母と兄に愛されていたという記憶は、彼の中からずっと消えなかったんだ。
お酒が入っているとはいえ、旦那さんが後半かなり泣いていた。ルーツを知りたい欲求、母への想い。そういう感情は男性のほうが強いのだと感じる。旦那さんの好きな『英国王のスピーチ』と同じ製作陣らしいので、相性が良いのかも。
タイトルの理由が明かされるラストは素敵な演出。名前は親が子どもに贈る最初のプレゼントだから、そこに込められた想いを感じる。亡くなったお兄さんは駅でずっとサルーを探してたのかな、だから電車に轢かれてしまったの?と勝手に想像して胸が痛くなった。
ただのハッピーエンドではなく、恵まれない環境に置かれたこどもの消えない心の傷とその影響をしっかり描いている。今もなお過酷な状況にいるこどもが世界にはたくさんいる。この作品の大切なメッセージだ。