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LION ライオン 25年目のただいまのkazataのレビュー・感想・評価

2.5
2017年のアカデミー賞ノミネートの時から見たかったけど見逃していた本作をやっとウォッチ。

そりゃ感動するのは当然なんだけども、"感動のラストを予め知っている状態"で見ていくわけだから、なんか途中で主人公の身に色々起こるけど"常に安心感"が漂う展開で……「それって映画として面白いの?」と思ってしまう。
(オーストラリアパートから始めて時間軸を遡る展開の方が面白くなったんじゃ…)

もちろん本作が取り上げているテーマの重要性はわかるけど、インドの闇(児童労働、売春、臓器売買、集団レイプ事件とか現実は超悲惨だよね…)については軽く匂わす程度だし、オーストラリア家族内の問題や恋人との問題も雰囲気だけで良くも悪くもなったりするから乗れず仕舞い。

本作についてはインドパートを褒める意見の方が多いような気がするけど、個人的にはオーストラリアパートの方をちゃんと面白くして欲しかったかな…ってか、正直ニコール・キッドマンとルーニー・マーラがいなかったら耐えられなかったかも……。
(なんかオーストラリアで巻き起こった問題を全て自分のルーツのせいにしてない?)

(子役も『存在のない子供たち』のゼインくんと比べちゃうと拙く思えちゃう…)

(まぁインドの闇的なところに踏み込もうと思ったら、「ワインスタイン印のお前が言うな!」ってツッコミ不可避だったかもだけども…)

(客車タイプの回送列車を数日間も走らせるという超無駄なことを本当にやってたとしたら、「インド大丈夫?」って思ってしまうんですが?)

(Siaは大好きだけど本作のエンディング曲のチョイスとしては合っていないでしょ…)

……やたら評判の高い本作ですが、終始不満だらけな鑑賞になってしまいました。

(自分が長男なので、どうしても兄目線で見てしまうんだけども、本作のラストで明かされる事実に、兄としては逆に「それで良かった」と救われたように思えました……)
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