eulogist2001

LION ライオン 25年目のただいまのeulogist2001のネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます

実話である。1986年のインド。地方は貧しく迷子(行方不明や誘拐含めて)になる子どもたくさんいた。(インドでは今でも毎年8万人が行方不明になってる)
そのうちのひとり、サルー(ほんとはシュルーでライオンの意味)も兄と仕事探しに出かけた中で迷子になり、人身売買や臓器目的などの犯罪に遭うことなく、運良く救済組織に保護された。

そしてオーストラリアに里子に出され幸せな暮らしをするが、生まれ故郷への望郷心は捨て難く、25年後にやっと帰郷出来た。

インドの状況や里親になる家庭の事情など、知らない事が多々あった。里親の言葉で「子を産めたけど、二人の養子をもらうことに決めた。それは世界はひとであふれてる。けど子供を産んで世界が良くなる?不運な子どもたちを助けるほうが意義がある」には揺さぶられた。日本人にはまだ理解し難い気もするが(「血を分けた子どもやお腹を痛めた子ども」という表現がある通り、血の繋がりのある実子へのこだわりと執着が大勢だろう)、それは欧米での養子文化との歴史の差なのか、ムラ社会の裏返しなのか。

欧米人のほうがファミリーの枠が広い気がする。多様性を認めるところから、自らに取り込むところまでは大きな距離がありそうだ。そんな事も感じた。
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