雅治

イット・フォローズの雅治のレビュー・感想・評価

イット・フォローズ(2014年製作の映画)
4.0
2015年のベストホラー映画確定案件!Jホラー meets ファイナル・デスティネーション meets ソウルサバイバーな、不気味系ホラーの大傑作!

「ソウル・サバイバー」「シーバース」「殺戮謝肉祭」「恐怖の足跡」あたりが大好物の自分にとっては、数年ぶりの直球ど真ん中大傑作ホラーでした。

とにかく、完璧なオープニング。のっけから何やらよくわからない不穏な空気に包み込まれ、この映画なんかヤバい!と思わせる惹き込み方が完璧であること、そして冒頭で強烈なゴア描写を見せることで、幽霊に捕まったら悲惨な事になるという恐怖心が植え付けられます。実は本作、思いのほかゴア描写は少ないのですが、冒頭の強烈なインパクトによってそれがかき消された上にお釣りがくるというのがすごいです。

この作品の本当に素晴らしいところは、いろんなシーンでヒロインに向かって遠くから歩いてくるエキストラの姿がちょくちょく現れるので、それが幽霊なのかたんなる歩行者なのかがわからないという独特の気味の悪さがあることです。これこそ本作が「ソウル・サバイバー」的な不気味さを醸し出す大きな要因となっています。

そしてもう一つ、非常に重要な設定があります。
セックスを介して呪いを第三者に移す事に成功したとしても、伝染した人間が死ぬと前の人間にバトンが戻ってしまうのです。この設定はかなり残酷です。この設定があることで、例え数人、数十人の人間に伝染していったとしても、もしかしたら数日・数週間・数年のうちにその全員が死ぬことでいつかは自分まで戻ってきてしまうかもしれないのです。まさに一生付き纏う呪いです。本作のラストではなんとも切ない選択が待ち受けています。

本作は青春映画としての側面も非常に秀逸なものとなっています。ティーンエイジャーの男女、性交渉を介して伝染する呪い、片想いの女性をなんとか助けたいけれど、そのためには彼女が不特定多数の人間とセックスをしなければならない、いっそ自分が…なんていう淡く切ない感染慕情が描かれています。

設定が何から何まで面白く、余計なシーンが微塵もない。全編を通して不穏な空気が流れる中、恐怖と平行して若者たちの切ない青春模様が映し出される傑作。