TeruNishiyama

イット・フォローズのTeruNishiyamaのネタバレレビュー・内容・結末

イット・フォローズ(2014年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

「アメリカンスリーブオーバー」の監督デヴィットロバートミッチェルの最新作。これを日本でしかもTOHOで公開してくれるなんてなかなか映画業界も捨てたもんじゃないと思った。
結論から言うと、そりゃもう抜群に面白かった。
ところどころで効果的な音をうまく使い、ホラー映画としても十分に楽しむことができた。しかし、この映画の魅力はホラー部分にあるのではなく、やはりこの監督特有の抽象的でファンタジックな世界観にあり、そしてその世界の中に生きるアメリカティーンエイジャーの心理描写のリアリティ。その2つが見事に融合している点が最大の見所である。この世界観と個人の描き方のギャップが、我々に夢を見させてくれながらも、その夢の中に存在する自分を想像させてくれる。そんなところが、この監督が大人たちから求められている所以なのだろう。ホラーであっても、「アメリカンスリープオーバー」で描いたような世界観は薄まるどころかさらに強固なものとなっているような気がした。

ホラー映画なので、現実にはありえない展開ではあるのだが、その展開をうまく生かして、ティーンの甘酸っぱい、甘酸っぱすぎる恋愛を描く。怖くて目を当てられないのではなく、青すぎて目を覆うようなそんな展開が待ち受けていて、おい、おまえ、そのセックスでいいのかよ!と心の底から叫びたくなった。
ラストは謎を残したままなところがまたファンタジックな世界観の構築の一助となっており、決してというか全くスッキリ感のないラストではあるが、その唐突さがまた、この映画の中の世界を現実の世界に持ち込むような効果を生み出している。その結果、虚構と現実の狭間を漂いながら映画館をでることになった。
新年からとんでもない映画を見たなというか、決してホラーの文脈に詳しいわけではないが、脱構築、脱ホラー映画、もっと言えば、ジャンル映画のその先を見たような気がした。
しかも帰り道に友人と喫煙所でタバコを吸っていたら映画の中にでてきそうな汚い風体のおっさんがゆっくり歩いてきて、うわこえー!とさらに虚構の世界に導かれたようだった。おっかなかった。。