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イット・フォローズのmoritaのネタバレレビュー・内容・結末

イット・フォローズ(2014年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

※そんなにネタバレは書かないですが、予備知識なしで観てもらいたいので、ネタバレにチェック入れておきます。

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まず、キレキレの映像に驚かされた。こんなにキレキレの映像を観たのは、13年公開のパク・チャヌク監督作『イノセント・ガーデン』以来だと思った。

キューブリック直系というか、『シャイニング』の系譜に位置付けられる作品群の最新系、というような怪作。

写し出される画が本当に素晴らしくて--ベクトルはだいぶ違うけど昨年の『フレンチアルプスで起きたこと』と同じくらい!--、画としての快楽と、編集が素晴らしい。

音楽を担当しているのはディザスターピースという名義で活動している人で、40枚のアルバムを制作し、ゲーム音楽を普段は作曲し、今回が初めての映画とのこと。劇中の音楽も一つ一つ取ったらチープなんだけど、そのチープさというか、シンプルさがホラー感を醸し出すのに一役買っている。

41歳で、これが長編映画2作目となるデヴィッド・ロバート・ミッチェル監督は、映画センスの塊のような人のはず。映像はもちろん、音楽家にゲーム音楽を作ってきた人を起用するところが絶妙だし(実際は監督が起用したのか分からないけど)、スクリーンの端々から映画偏差値の高さが伺える(ただし、B級映画度かなり高め)。

“it”として登場する人たちは、『ヴィジット』のあの人があの姿で登場した時の衝撃に近い。その伝染性は性病のメタファーというより、日本人なら『リング』の“呪いのビデオ”のダビングを思い出すはずだ。

公式サイトに出ている監督のインタビューを読むと影響を受けた作品として、カーペンターやクローネンバーグ、『シャイニング』や『パリ、テキサス』などを挙げていて、批評性の高い監督であることが推測される。ただ、そこからどう新しさを出すのかも考えられていて、頼もしい限りだ。

アメリカのティーンエイジャーという、世界で最も自由を謳歌できる階層(偏見ふくむ・笑)の雰囲気もいい感じで表現していて、そこでも、コッポラ家の一族であっても不思議ではないと思わせるセンスのよさを発揮している。

2016年劇場鑑賞4作目にして、今年のベストの一つになるような予感がしてます。とにかく、ホラー苦手じゃないすべての映画好きに観てほしい作品です。