花俟良王

イット・フォローズの花俟良王のネタバレレビュー・内容・結末

イット・フォローズ(2014年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

前作『アメリカン・スリープオーバー』で郊外の少年少女を暖かく描いたミッチェル監督がホラーを選んだと聞いて意外に思ったが、作品を観て納得。

やはり同じような少年少女が登場するが、今回は「大人になること」を、思春期特有の性や親や他者への嫌悪感をホラー風にして描いていた。

そもそもの立ち位置が「純粋な青春映画」なので、いわゆるホラー映画を期待すると少し肩透かしを食らうかもしれない。

ついてくる者たちは、老婆や小便を垂れ流す女や近所の子供や威圧的な大人や地味な女や、そして自分の親(写真を見逃さないで!)など。

主人公が、デートしてセックスをした後に「子供の時夢見たことをしてしまった今、いったいどんなことが待っているのだろう」というような事を言う。

とても不安定な精神の時、大した理由もなく人々を忌み嫌ってしまいがちだが、それが具現化されて彼女をつけてくるのだ。そしてそれから逃れるのは他の人とセックスしなければならない。

大人になったことに「慣れなくてはいけない」のだ。

個人的には、これは実際には起きていない、主人公の夢想のようなものではないかと思う。

もっといえば、カーセックスシーンの後、主人公が前述の言葉を発した直後からもう別の世界、妄想の世界なのではないだろうか?親たちは介在せず、死者がでても騒ぎにはならない。時代も曖昧だ。

『アメリカン・スリープオーバー』もそうであったように、監督が青春時代を愛情たっぷりに描いたおとぎ話なのではないだろうか。絵画のような美しい映像がそんな気持ちを増長させる。