エクストリームマン

イット・フォローズのエクストリームマンのレビュー・感想・評価

イット・フォローズ(2014年製作の映画)
4.2
自分に真っ直ぐ向かって歩いてくるやつって怖いよね、っていう。コストかからないし、そのくせモンスターモノとファイナル・デスティネーションシリーズのハイブリッドみたいな怖さがあってよいのでは。屋根の上に立ってた全裸の爺さんどっちなんだっていう笑っちゃうようなところとか、ドア開けたら向こうにいる気がする、みたいな疑心暗鬼を誘発する感じとかも上手い。ホラーが全体の枠組みだとすれば、その中でジャンルが遷移していく感じというか、ボンクラで倦怠感漂う青春とその終わりと、続いていく(終わらない、ではないところがポイントなのだろう)恐怖みたいなものとどう向き合うか、等々色々盛り込まれていて興味深い。

ネーミングとか画的な演出から明確に読み取れる『ハロウィン』をはじめとした往年のホラー映画オマージュに加え、パンフでも宇野維正氏が指摘していた通り、アナログ・シンセ再評価というか、リバイバル映画の系譜にも入っている。最高のDIYポストアポカリプト映画『ターボ・キッド』でも全編で使われていたアナログ・シンセが使われる映画が、今後もどんどん作られていくといいなぁ。

監督が結局説明せざるを得なくなって語った映画のテーマについても、劇中で割りと露骨に、何度も語られているし、グレッグのとこにitが来るの遅かったりとか、最も無防備な行為の最中に何故来ないのかとか考えればわかりそうなものだけどなぁとか思ったり思わなかったり。寧ろわからないなら、そのことを愉しめばいいっていうタイプの映画でしょ。せっかく「マジック」を生み出すことに成功している映画なのだから、曖昧なところはそのままにしておこうよ。まぁ、殆どの人はそうして楽しんでいるのだろうけど。

どの場面もとにかく画面が美しい。主観ショットを使わないからこその怖さ、被写体に対する冷徹な視点みたいなものが上手く演出されてたな。

8マイル・ロードを越えて、その先へ行こう。