がんで手術したばかりの兄貴のこと、別居中の妻のこと、日の目を見ない映画のこと、騙しているいい感じの恋人候補のこと、腐れ縁の友人のこと。半径5mの生活しか描かれないし、特に映画としてうまくまとまってるとも言えないんだけど、よくわからん味わいがある。
大崎章監督は前作「キャッチボール屋」もそうだけど、魅力を説明するのが難しい映画を作る。「オフビート」とくくるのはなんか違う……。微妙に笑えるけど別にコメディを志向してる訳でもない。
とことんダメだけど、自己肯定感の高い主人公の造形が好きなのかな。なんかいいことあった日に楽しそうにピアノ弾いてる光石研、それをうれしそうに眺める渋川清彦が並んで映るシーンがいい。