シネオ

orangeのシネオのレビュー・感想・評価

orange(2015年製作の映画)
4.0
予告編のみの知識で鑑賞です。原作漫画にはあまり忠実ではないようで、いろんなサイトで従来ファンからは酷評のようですね(笑)2時間超えの尺でおさめたり、監督の意志が入るので、なかなか難しいと思いますが。1本の映画として、フラットな感想です。

「10年後の私」からの手紙という設定で、「時をかける少女」のような、ワクワクするファンタジーだと思ってました。だから中盤から涙が溢れ出してきたのは、全くの不覚。テーマの軸がしっかりしてます。

誰だって人生に後悔はつきもの。そして苦い経験は、オトナになる前の思春期に集中してる。あの日、ひとこと言葉が出ていたら、少しでも勇気を出して行動していたら、違った結果になっていたかもしれない。そんな誰もがもってる切ない想いが蘇って、胸にジンジンと響いてきます。男女織り混ざった友情もので、おざなりな恋愛話じゃないのもよかった。お互い助け合い支え合って、仲間を救う気持ちがキラキラ輝いていました。

10年という時間を戻ってパラレルワールドが進行するギミックも、映画ならではの醍醐味に溢れてます。解決がいちいちリンクしなかったのも、段取りくさくなくていい。展開や脚本も、この尺ではよく練られていましたね。ちょっと意外な重めの設定も、ストーリーに深みを与えてます。

山崎賢人くんは感情を押し殺して、微妙な気持ちを上手に演じてましたね。ダチの竜星涼さんは、戦隊系出身の人なんですね。いい奴オーラ出てましたけど、高校生に見えませんね(笑)この二人はサッカー部のエースなのに全く日焼けしてないのが、妙に気になりましたけど。ヒロインの土屋太鳳さんは、目が強くて印象的でした。けどアニメ声で感情移入できず、少し残念。清水くるみさんは、「桐島〜」の時同様ナチュラルな演技が上手いですね。存在感ありました。漫画のキャラは分かりませんが、おのおのに個性があって、良いキャストだったと思います。

特筆すべきは、松本の美しい四季の風景。照明やカメラ回しが、爽やかな世界観を醸成してて、すこぶる良かったですね。 CGで桜や紅葉は足してるけど、実写にこだわったリアリティが素晴らしい。田舎の高校生が、羨ましくなりました。オレンジが印象的なラストも、素敵なシーンでしたね。

中高生は、一度きりの青春時代に仲間の大切さを感じ、オトナは、過ぎた日の後悔に、ほろ苦くなる。いろんな世代にいろんな感情を抱かせる、良作だと思います。