このレビューはネタバレを含みます
精鋭チームによるド派手なカーアクションが見所のシリーズ第8作目。
監督は「ストレイト・アウタ・コンプトン」等のF・ゲイリー・グレイ。
シリーズを重ねる毎に規模が巨大になりインフレ度が増して行くが、アクションはまだギリギリ人間の身体で可能な範囲に留まっていて(と思う)、リアルとSFのラインをスレスレな状態に保つのは至難の業なのだろうとその苦心には感服せざるをえない。
「もしかしたらマネ出来るかも?」と言いだす奴は居ないと思うが、そんなチャレンジ精神を呼び起こさせない様なやりすぎ感が最高。
前作でポール・ウォーカーの逝去によりブライアンがシリーズから退場した事で、チームメンバーの纏まりが緩くなってしまったという印象。
チャラさ成分を多分に含んだローマンやテズの悪ノリを冷静沈着に制するような役目もいないし、別方向へ向けられている各々の感情を一本芯の通った道筋へと舵を取る様な核となる人物がいないのはシリーズにとって大きな痛手になりそうだ。
前々々作に登場していたエレナという存在は完全に忘れていたので誰?状態だったが、例え元恋人であっても、そしてその子供であっても、ファミリーとして決して見捨てる事は出来ないというドムの男らしさや熱さは見えた。
ジェイソン・ステイサムやヘレン・ミレンらも仲間に加わってかなりの大所帯になって来たファミリー。
もはや一国の軍隊並みの戦力を誇る彼らに対抗出来る敵など果たして存在するのかどうか?
9作目、10作目の悪役に対するハードルはブチ上がっている。