あくまで古典映画の話法に自覚的な、わざとらしく浮いたCGデザインで構成された一頭のドラゴンが、一つ一つがこれしかないと唸らされるショットの上を縦横無尽に羽ばたく。谷の切れ目にある河川の曲がり角で少年とドラゴンが戯れるシークェンスにおいては、故意に放流させた水を利用して、ドラゴンがそこを滑り降りたことでその激流が発生したかのように重ね合わせられている。ピートが市街地で走るバスの屋根を歩き、乗客の子どもたちがそれを追って車内前方へ駆け出す。ピートがバスから飛び降りて袋小路にはまり捕まるまでの、この一連のショット全てが幸福な運動のイメージに満ちていて、なんとも素晴らしかった。森林伐採の現場のダイナミックな活劇的描写は、ホークス『大自然の凱歌』？
