ナツミオ

マネー・ショート 華麗なる大逆転のナツミオのレビュー・感想・評価

3.8
WOWOW録画鑑賞
"厄介なのは知らないことじゃない。知らないのに知ってると思い込むことだ“
〜マーク・トウェイン

リーマンショックを予測し、それに備えて巨額の利益を出した投資家たちの実話に基づく群像劇。

第88回アカデミー賞5部門ノミネート(作品・監督・脚色・助演男優(ベール)・編集)、脚色賞受賞。
他多くの賞レースでノミネート&受賞。

原題 『The Big Short』

2015年米作品
監督・脚本 アダム・マッケイ
脚本 チャールズ・ランドルフ
原作 マイケル・ルイス著のノンフィクション『世紀の空売り 世界経済の破綻に賭けた男たち』(2010年刊行)
出演 クリスチャン・ベール スティーヴ・カレル ライアン・ゴズリング ブラッド・ピット マリサ・トメイ メリッサ・レオ マーゴット・ロビー

(WOWOW番組内容より)
2005年、アメリカ経済が空前の住宅市場ブームに沸き返る中、NYの金融トレーダー、マイケル・バーリ(ベール)は、返済見込みのない住宅ローンを含む金融商品が、数年以内に債務不履行(デフォルト)に陥る可能性が高いことに気付く。
しかし、その危険性を訴える彼の意見に、政府や銀行、投資家たちはなかなか耳を貸そうとはしない。そこでマイケルは、住宅ローンの価値が暴落した時に巨額の保険金を手にできるよう、思い切った賭けに打って出る。

ノンフィクションの原作は未読。
2008年のリーマンショックにより世界経済は大きな打撃を受ける。
これは、その引き金となったサブプライム住宅ローン危機にいち早く気付き行動した4人の男達の群像劇。

面白かった!
世間がバブルで浮かれている時に、違う行動を取ることは難しいが、それぞれが疑念を持ち、入念な調査で近い将来、金融危機が来ることを予想する。
日本も80年代のバブル時代とその後の崩壊を思い出させる。
バブルが弾け個人投資家が、小躍りして喜ぶシーンでブラピが2人に「被害を受けるのは一般庶民」と諌めるシーンが印象的。

キャスト
・マイケル・バーリ(ベール)
元神経科医の金融トレーダー
ヘビメタ好きの変わり者

・マーク・バウム(カレル)
JPモルガン傘下のヘッジファンド
「フロントポイント・パートナーズ」のリーダー。
実在モデルあり

・ジャレド・ベネット(ゴズリング)
ドイツ銀行行員
実在モデルあり

・ベン・リカート(ピット)
引退したトレーダー。
個人投資家達を助ける。
実在モデルあり

ブラピは自身の会社「プランB」で製作にも参加。


最後に、劇中で出た村上春樹の作品「1Q84」からの言葉も刺さります。
「誰もが心の奥底では、世の週末の到来を待ち受けているものだ。」

原題タイトルにもある
「Short」の意味
空売りとは金融用語で、株、債券、通貨、商品など価格が下落すると予測したときに、資産価値の高い時に「売りポジション」を保有し、価格が下落して安くなったところで「買い戻し」をすることで、その差額が利益になる売買手法のこと。(投資の教養 (2017年10月2日).より。
本作品のWikipedia内、出典4.よりリンク先から抜粋。

作品内の金融用語の解説がわかりやすかったので、興味のある方はどうぞ。
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