みきちゃ

マネー・ショート 華麗なる大逆転のみきちゃのレビュー・感想・評価

4.7
2020年3月前半、激しく変動し荒れる為替市場を横目に鑑賞。かなり面白かったし、かなり怖かった。この後味は誠に遺憾。

2008年9月に投資銀行リーマンブラザーズが破綻したかと思えばあっという間に未曽有の金融危機に見舞われた世界経済。多くにとっては青天の霹靂でも、実は事前に予測して行動を起こしていた男たちがいた…という based on a true story. 大金を手に入れるための戦略と努力と葛藤が描かれていた。

専門用語の解説が明快で楽しかった。CDO(債務担保証券)のカラクリをシーフードスープに見立てて教えてくれるし、CDOの危険性もジェンガを使って解説してくれる。解説者にマーゴット・ロビーとセレーナ・ゴメスという華も添えてくれる。難解と思われがちな金融ものが豊富なサービス精神と親切設計でめっちゃ面白い映画に!メインキャストの豪華さを忘れてたし、しかも第四の壁を壊してきてくれたりしてちょっと嬉しかった。

限りなくリスクゼロに近いかのような金融商品CDO。耳障りが良すぎるとそれだけで構えるところがあるので、もしもこの頃に家の購入を検討していてCDOを売り込まれたとしても私は回避してそうな気はするけど、それがどこまでの根拠をもって考え抜いた結果なのかは分からない。ウォールストリートと一般人とでは情報格差もあるんだろう。何事も、自分は知っている、ばっちり分かっていると思い込んで思考を止めたり、疑問を感じる余地もないほどのマインドに仕上がってしまうときけん。

NOBUでカレルがふつふつと怒りつのらせるのと共に鉄板をジューッといわす演出楽しかったな。仲介業者のコンビ、軽薄でギラギラしてやばかったなw 学生の延長みたいな野望溢れる仲良しトレーダーコンビも良い味だしてて可愛かった。クリスチャン・ベールが演じた方は、住宅市場の密かな異変に独りで気付いてCDSという金融商品を編み出してて賢さはんぱない。

この映画一本に限って言えば、米国の金融怖すぎ。米国で投資するの博打すぎ。

***
いちばん大事なものが
いちばん遠くへいくよ
こんなに覚えた君の
すべてが思い出になる
みきちゃ

みきちゃ