上海十月

マネー・ショート 華麗なる大逆転の上海十月のレビュー・感想・評価

4.4
原題は「THE BIG SHORT」で原題でもよかったんじゃないかと思う映画でした。実話に基づく映画ばかりでひねりもない映画が多い中、異色のアプローチが出色の映画で楽しめました。アダム・マッケイは、「俺たちニュースキャスター」等の下ネタ、男女差別なネタでコメディ映画では十分有名。その部分を抑え気味にして映画にしたのが本作。独白的な映画は、つまらないのが多いが本作は、ややこしい金融メカニズムをエロい姉さんにバスタブ泡だらけで説明させたり、有名シェフにサブプライムローンの仕組みをシーフードシチューに例えたり、行動経済学者と人気シンガーに思い込みの経済行動を説明するシーンは、面白くもあり、映画の可能性を広げている。気が付いていたのに結構、市場を維持しようとする格付け会社や銀行、政府、投資家に苦しめられていたのは、知らなかった。この中でやはり現場に出向くことが必要だと思うシーンが出てくる。バブルとはそうやってやってくるんだなと妙に気持ちが悪いシーンだった。そして崩壊が段々迫ってくるところが怖い。有名日本料理レストラン「NOBU」での食事のシーンで流れるBGMが徳永英明の「最後の言い訳」というところは、さすがにピッタリで当然狙ってるんでしょうがアメリカ人には、わからんちゃう!お勧めの映画ですね。
上海十月

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