あさ

666号室のあさのレビュー・感想・評価

666号室(1982年製作の映画)
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テレビか映画か。映画最盛期を目にしてきた監督たちが感じる、当時の映画産業の危機や未来の話。案外今も似たような議論はあると思う。

テレビを超える存在が現れるかもしれないという言葉もあったけど、今はスマホもタブレットもPCもあって、家で快適に映画を見るシステムが整っているわけで。

でも、(どの監督が言っていたかもう忘れてしまったけれど)家のデバイスは簡単にていしできる。映画館で得られるような研ぎ澄まされた集中力や体験は100%得られない。今こんな状況だからこそ感じること。もちろん、それを踏まえた上でも映画館へ対価を払う価値を感じる人間が今どれだけいるかという話にもなってしまうんだけど。

ハリウッド、ヌーヴェルバーグ、ネオレアリズモ、監督の立場も違えばこの危機の捉え方も変わってるなと思った。お金を稼ぐための娯楽、になっていることは否定できない。日本だって漫画の実写映画はとにかく売れっ子使ってターゲットが明確。それである程度回収できる仕組みなのかもしれないし、悪くはないけど。それでもいつだって、文化を支えるのは小さな作品にこそあると思うけど、お金を回収することがある程度必要なのだろうね。嫌々。
あさ

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