たーぼーん

あしたのたーぼーんのレビュー・感想・評価

あした(1995年製作の映画)
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赤川次郎の小説というのは、その創作生涯はもう何十年も経過しているので、全容は想像出来なくなっているけど、昔のイメージで思い起こすと、愛人という存在の出現率が高かったり、ヤクザやチンピラに若い娘がレイプされたり(手込めにされるという表現がよく使われる)、そのレイプしたチンピラがそんな事した理由を「なんかさぁ、かわいい服着てたからつい、、」と言うシーンがよくあるイメージが妙に残っている。
何となく、大林監督の作品と親和性が高い気がするよね。(笑)

それはともかく、この作品も結構長尺だったと思うけど、こうなる話なんだろうなぁと思ったその通りの結末にじっくり時間かけて到達する。その間観ている我々は、徐々に生命というものの儚さにあれこれ思い巡らす事になる。
峰岸徹が子供そっちのけで嫁はんと愛しあうシーンを観ながら、若い女優が大林ルールに基づき肌を露出していくのを観察しながらも、絶えず生と死による相違は決定的だが、魂まで完全に分断されるものなのか、そんな事はないよねという様な事を、意識せずとも自然と感じ入る事になる。
ああ、恐ろしや、大林宣彦監督、、、