石坂を尾行する珠を更に尾行しているような、それでいて珠自身になっているような気分になる作品。それは尾行を通して珠が対象者にのめり込んでいったのと同じ事を、観客たる私も体験していたからなんだろうな。
特に、それまで観察者だった珠が石坂から見られる立場になる追い駆けっこシーンでは、彼女と一緒に焦り怯えた。他人の目を意識していない状態も含めて、ある人間の行動を一方的に覗けるという意味では、映画やドラマって尾行に近いのかもなあ。
個人的に長谷川博己さんの芝居掛かった感じが他の演者さんから浮いている気がした