このレビューはネタバレを含みます
大学院で哲学を専攻する主人公()は修士論文の執筆に際して、教授のアイデアで理由を持たない観察(=尾行)を始める。
約束は対象者に接触しないこと。
主人公は、生きるとはなにか、ひいては人間とは何か、生きる意味や心の空虚感に向き合い、実存することの意義を探すべく、はた論文執筆の名の下に尾行を続ける。
対象者の様々な姿を見る主人公はその出来事を書き留めていく一方で、対象者の不倫が偶然明らかにされる。
対象者は主人公の尾行によって不倫が明かされ、それが妻から雇われたのではと勘繰り、主人公を疑う。
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主人公は尾行をするよう仕向けられたのでは無いかと対象者に迫られる。
尾行がバレて、対象と接触してしまった彼女は論文執筆という目的に固執し、またその事は同棲する彼氏との間に亀裂を生んだ。
彼氏もまた彼女を尾行し、2人の間に吐かれた嘘を見つけてしまう。
(2人は便宜的な空っぽの関係だった…のかもしれない。)
あらすじまとめ切れなかったけど一言で言うなら
察しと思いやりの虚像に揺れ、目的と願望の交錯に陥ってしまう大学院生の話。
イキルノムズカシイネ