みーちゃん

弁護人のみーちゃんのレビュー・感想・評価

弁護人(2013年製作の映画)
3.6
韓国映画はやはりレベルが高い。ソン・ウソク個人の生き方や信条と、釜林事件の顛末や歴史的な意味が、分かりやすく関連付けて纏められていた。

それを、ひとりの弁護士の「苦学の末に司法試験に合格するところ〜人権派弁護士に変容するまで」のドラマに仕立てたのが良い。この期間だけを切り取ったことで、エンタメとして観やすくなっていると思う。

その一方で、肝心の法廷シーンは、もっとリアルな厳しさを期待していたので、描き方が全体的に甘いと感じた(被告人はあんなに自由な発言はできなかったはずだが、イム・シワンの見せ場を増やすためだろう)。

特にクァク・ドウォン演じる警監チャ・ドンヨンを証人として立たせたのは本作のクライマックスなので、(現代の)正論と熱意で論破するよりも、映画だからこそ、逆に警監側にも思想や正義などを述べさせて、互いの核心に切り込むガチの論争を展開して欲しかった。もっと知りたいから。そういう意味で、私は物足りなかった。

ソン・ガンホ、イ・ソンミン、クァク・ドウォンの共演は嬉しくて、見た目の役作りも楽しかった。