富士山

弁護人の富士山のレビュー・感想・評価

弁護人(2013年製作の映画)
5.0
背景云々を抜きにしても、娯楽映画として完璧な構成。自分の力でのし上がったけれども、人情に厚いが知的で、家族想いな主人公。自分のまわりしか見てこなかった彼が、衝撃的な出来事で社会に目覚め、持ち前の熱い想いを爆発させて、理不尽で暴力的な権力に立ち向かう。しかも、警察も検察も裁判官も、直接の関係者全員がその権力は滑稽で空虚な、理不尽な存在であると気づいておりながら、安易な惰性と近視眼的な価値観で続けている状態が描かれており、ある種の免罪がなされています。オチも日本のクソドラマにあるような、何でもかんでも主人公が活躍して悪を懲らしめハッピーエンドではない、より重厚な視聴感をもたらしてくれるものになっています。
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