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弁護人のellieのレビュー・感想・評価

弁護人(2013年製作の映画)
3.9
1980年代、釜山の釜林事件を舞台に国家を相手に闘った弁護士。
鄭斗煥軍事政権下で弁護士だった盧武鉉大統領がモデルとされている。

「アカ狩り」で不当逮捕した無実の罪の学生を拷問しながら、当時は当然のように裁判官、検察、弁護人が口裏を合わせ形だけの裁判が行われていた。演じたソン・ガンホが朴槿恵政権下でブラックリストに乗り、その後「共犯者たち」などのドキュメンタリー映画につぶさに描かれたような激動を経て、韓国の人々がやっとのことで勝ち取った民主主義の尊さを思う。

裁判で彼が公安に「国家とは何だ」と叫ぶ姿に涙が込み上げた。国家権力の下では、いかに人の命と尊厳が無碍に扱われることだろう。
なくしてからではどうにもならない大切なものに、この国の人々は一体どれだけきづいていることだろうか、と思った。
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