はる

最愛の子のはるのレビュー・感想・評価

最愛の子(2014年製作の映画)
4.8
「幼いわが子が行方不明になったら?」お子さんをお持ちの方ならきっと想像して恐ろしくなったことがあると思います。

これは中国で問題になっている人身売買がテーマです。
国の体制を批判するようなセリフも見受けられるので、よく検閲が通ったな、と感心させられます。
また、この映画をきっかけに子どもを買う方にも重罪が課せられるという法改正が行われたというので、改めて映画の力を知ることになりました。

実の両親と育ての母親、双方の立場をみることが出来るので、社会問題を扱う映画としてとてもよく出来ていると思います。

役に立たない役人も登場しますが、彼らも規則を遵守して真面目に仕事をしているだけなので、やるせない気持ちでいっぱいになります。

舞台は2009年で『一人っ子政策』の真っただ中ということもあり、あまりにも山積みの問題に見ていて疲れてきちゃう事もありました。

でも、大きな国をも動かす力をもつこの映画はとても貴重なものだと思いました。
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