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最愛の子のsobayuのレビュー・感想・評価

最愛の子(2014年製作の映画)
4.0
監督は子供を誘拐した側された側双方にとって“最愛の子”でありうるという姿勢で、個人を悪く描いていない。
中国では今も年間20万もの行方不明児が出るそう。いくら大きい国だからってちょっと想像を絶する。我が子を誘拐された親たちが街頭に立ち「買う親が居るから誘拐が起こる」と訴えていたのが印象的。

ものすごく誘拐犯の妻に腹が立って堪らなかった。こうやって感想を書くのにも数日冷却期間が必要なくらいのいらだち。映画を見てるだけの他人でさえこんなに腹が立つのに、実際子供を浚われた両親の怒り苦しみたるや想像を絶する。人を許すというのは生半可なことじゃないですね..。それでも生きて行く(ドラマ)を思い出す。

誘拐犯の妻は尋常じゃないくらいの熱演だったけど、誘拐された側の妻役の方も凄く良かった。知性と理性がある都会の母は、誘拐犯の妻が動物的な母性とやらを暴走させればさせるほど、氷のような能面にならざるを得ないのだというのが静かに伝わってきた。

誘拐犯の妻の哀れさも分かるんです。彼女だって謝罪の気持ちがないわけじゃない。でもそれをとっさに語れるような社会性を身につける機会がなかったのかもしれない。問題が根深い。

母親たちのことばかり書いたけど、子を探し続ける父親たちにもすごく胸を抉られた。一人っ子政策の闇も垣間見える。近い国でも知らないことだらけだな・・。