このレビューはネタバレを含みます
ただしいことを、ただしく繰り返しかたちにしてくれた作品だった。
あらためて、自分にとって、もっとも大切な作品のひとつ。自分にとっても、たまゆらは、道を見失いそうな時にくりかえし立ち帰る場所になる。
亡き父は楓の心の中におり、だから竹原やカメラを手放すことができる。という、この映画で描かれた成長はしかし、実は、OVA、つまり物語の初めにすでに示された変化をなぞるものでしかない。
だから、この第4部でもっとも劇的なのは、新年を迎え不安に駆られる楓の肩にかおるが手を添える、その自然さであり、この自然さを可能にするために重ねられてきた時間にこの作品の全てがある。
2022年の上半期は、小沢健二、映画クレヨンしんちゃんシリーズ、そしてこのたまゆらに学んだ半年間だった。
たまゆらが完結まで描かれたことの奇跡に感謝せずにいられない。