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たかが世界の終わりのRomicovのレビュー・感想・評価

たかが世界の終わり(2016年製作の映画)
4.0
ざっくり「12年間会っていなかった家族に自分の死期が近いことを伝えに行く話」との情報くらいで鑑賞。

ドランだった。
ものすごくドランだった。
音楽とキレイな映像と閉塞感にヒリヒリする。

アップでのカットが多く、始終ヒステリックな言葉を打つけられ続けるのでちょっとつらいのだけれども、映画終盤に向かって溢れ出るような感情の爆発には圧倒される。
会話劇なので字幕を目で追わないとどうにもならないから、細かい表情の演技等々見落としてる気がしてならないので、ひとまずもう一度観たい。。。原作の時代背景を理解した上で。(←ここ重要かなと思う)
はー…。「トム・アット・ザ・ファーム」も見直したい気分。

家族ではあっても、12年間の隔たり故、愛情、嫉妬、思慕、全て手探り。
その中で一番の余所者であるカトリーヌが、全体を俯瞰して見えている存在なのかな。

マルティーヌの「理解出来ない。でも愛してる。」て言葉は、
そのまま「マイ・マザー」に繋がるような気がするし、
またそれは監督自身の家族観、母観を表す一言のようでもあるようにも思えた。

個人的には、神経を逆撫でるようなイライラ感&ヒステリックな演技は、
監督自身の方が合っているのではないかなーと思ったのだけれども、
年齢的なものが合わないのね。。。
て、ドラン監督まだ28歳ってズルいなー!!


原題直訳「まさに世界の終わり」と邦題「たかが世界の終わり」とで全然イメージが変わる。珍しく素晴らしい邦題。
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