Hondaカット

たかが世界の終わりのHondaカットのレビュー・感想・評価

たかが世界の終わり(2016年製作の映画)
3.9
78点。ドラン監督(まだ27歳!)長編6作目。もはやクオリティの高さは安定してるかもしれない。

今回も人物の顔のアップばかりの編集。ほぼ会話劇。「言ってること」と「思ってること」が違うのが人間だが、ドラン映画は更にその下の層、「本当に想っている別のこと」が見えてくる。それを推察しながら観るという深み。そこにセンスの良い回想の画や、まさかの選曲がぶっ込まれる。

紛れもなく自分の描きたい事を映画にできる才能の持ち主。ずっとわめき散らしてばかりの登場人物に疲れはするが、それこそ彼の周りの日常だったのだろうか。実生活の、マイノリティの叫びを焼き付ける力業は、まだまだ衰えない。更に、技法や映画的語り口の妙も、身に付けていってほしい。
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