いずみたつや

たかが世界の終わりのいずみたつやのレビュー・感想・評価

たかが世界の終わり(2016年製作の映画)
-
家族は結局のところ、どこまでも他者であることを描く厳しい作品でした。

しかし一方で、突然踊り出す母に呆れながらも、思わず家族の間に笑みがこぼれる素晴らしい名場面もあります。これもまた紛れもない家族の姿だと感じました。

役者の演技も見事で、特に兄役のヴァンサン・カッセルの面倒くさい感じは最高です。一筋縄ではいかないウザキャラをやらせたら間違いないですよね。

余談ですが、ドランは『Mommy』でもキッチンで母が踊る姿を描いてました。こちらも心に残る良いシーンなんですが、"キッチンで踊る母"は自身の経験と深く関わりがあるのでしょうか。