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たかが世界の終わりのmisakiのレビュー・感想・評価

たかが世界の終わり(2016年製作の映画)
4.2
どんなに待ったことか。
ようやくこの作品を観られる日がきた。

約2年前、ドランが新しい作品を撮るということを知り、絶対観たいと思い、さらに私の大好きなレアとタッグを組むことに興奮し、続々発表される他キャストもフランスを代表する俳優陣ばかりで私の胸を高鳴らせた。
そして去年のカンヌで彼ら6人の写真を見て悶え苦しみ、グランプリを獲って興奮と期待値は最高潮に達した。



頭の中にいろんな感情が駆け巡る。

長年離れていても家族はずっと家族で、血の繋がりは切りたくても切れない。
他人にはなれない。
だからこそなんでも言い合えるけど、絶対切れない関係ってわかってるから言い過ぎてしまう。
でも逆にこの先もずっと続く関係だから伝えられないこともある。


正直、緊迫し張り詰めた空気の中で気持ちがピークに達してから(演者も観客も)あの結末は納得いかなかった。
だから2回見た。
そしたら、最初から全てわかった上で見直したら、その結末がすっと自分の心に入ってきた。
なんだそれって感じだけど、本当に自然に受け入れられる結末に変わった。

だけど、2回鑑賞しても、全然理解出来てないし、わからない部分はたくさんある。



本作観た後、ドランへの愛が再熱したので、家にあったけど見ていなかった「ドラン先生の公開授業」を見た。
(ロランスとトムのBlu-rayBoxについてた特典映像。内容は2014年にパリの映画館で行われた約2時間の彼のマスタークラス)

ドランの頭の中は半端じゃないと再確認。
全てに対して妥協がないし、こだわりが凄まじい。
で、どんな時も常に先の先を見ていて、色んなことを同時進行に着手していて、彼の創作意欲は止まることを知らない。
これを撮ってる時は「たかが〜」は撮影中なのか済みなのかはわからないけど、話はその次の作品のジョンFドノバンまで進んでいて、それは3部作の構想を練っていて、さらに他の執筆中の脚本や、脚本は書いてあって製作を交渉中の作品もあるらしく。なんなんだ本当に。すごいとしか言いようが無い。
こんなに成功してるのに全然満足していない感じ。
本作の余韻にまだまだ浸っていられるけど、次作が楽しみで仕方ない。
この人と同じ時代に生きてて良かったと心の底から思う。

あと、次作は全編英語の作品で英語のインタビュー映像が増えてる気がするけど、やっぱりフランス語で話すドランが良い。
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