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たかが世界の終わりのdaiyuukiのレビュー・感想・評価

たかが世界の終わり(2016年製作の映画)
4.6
12年ぶりに故郷に帰ってきた34歳の作家ルイ(ギャスパー・ウリエル)。それは、死期が迫っていることを家族に伝えるためだった。母(ナタリー・バイ)はルイの好きな料理を用意し、妹のシュザンヌ(レア・セドゥ)はいつもより着飾り、そわそわしながら彼の帰りを待っていた。
そんな二人とは対照的に、兄のアントワーヌ(ヴァンサン・カッセル)は彼をそっけなく迎える。アントワーヌの妻カトリーヌ(マリオン・コティヤール)は、ルイとは初対面だった。
ぎこちない会話が続く中、ルイはデザートの頃には打ち明けようと決意。
しかしアントワーヌの激しい言葉を皮切りに、それぞれの胸の内にあった感情が噴出する。
今までの作品でも家族という一番近くて遠い存在との愛憎関係を描いてきたグザヴィエ・ドランだが、今回は久しぶりに再会した家族との食事の中で、お互いに秘めていた感情が剥き出しになりぶつかり合う舞台劇のような展開が、余計に血が繋がっていても理解し難い近くて遠い家族同士の確執と愛憎関係がシンプルに描かれていて、より突き刺さる内容になっています。
家族同士だからこそ遠慮なくぶつかり傷つけ合う理解しようとしても、感情の糸がもつれてしまう。
そんな家族のドラマが、痛切に描かれています。
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