「家族は救いの港じゃない」
痛々しくて苦しくて逃げ出したかった。
誰かが悪いわけじゃない。12年という空白の時間が重く深くのしかかってくる。
愛とはなんなんだろうか
家族とはなんなんだろうか
血が繋がっていて1番自分の居場所だと思える場所であるようで、本当はすごく遠い存在なのかもしれない。
誰もルイのことをわからない
どう接したらいいのかも、何を話したらいいのかも。「理解できない、それでも愛してる」家族だから。
ルイが居なくなってから家族を必死に支えてきた兄。ルイのことを知らない妹。家族の理想に生きる母。同じ居辛さを共感する兄嫁。
本題を遮るように感情が爆発する会話劇は秀逸で本当に息ができないんじゃないかと思うくらいのめり込んでしまった。
何度も映し出される鳩時計。
飛んでは壁にぶつかって死ぬ
ルイの感情のように思えた。
グザヴィエドランは「Mommy」を観てから大好きな監督で、本当に心がやられてしまう。
「たかが世界の終わり」
これ以上にこの作品にふさわしいタイトルがあるのだろうか