12年ぶりに実家に帰る作家のルイ。オープニングからセンスがいいなぁ。家族が港であるとは限らない。母と兄夫婦と、妹の暮らす実家では、なんとなく均衡が取れていた家族のバランスに、ルイが帰ってきたことによって揺らぎ始める。
オシャレ系かと思いきや、めちゃくちゃドロっとしてて最後なんて引き込まれてしまった。これまで思っていたことが明るみに出る。そしてルイは、去る。
全編を通してほぼ人の顔で場面や心情は語られる。ゲイであるルイは家族からありのままで受け入れられてはいなかった。そんなルイに憧れる妹や、劣等感を感じる兄、表面的に取り繕う母の歪さがルイの存在で浮き彫りになる。
家族あるある。
わかりあうことの難しさ。結局わからないまま、僕の世界は終わるのか。グザヴィエ・ドラン監督作品、初めて観たなぁ。なんかもっと観て観たいなぁ。もっと知りたい。
