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たかが世界の終わりのkarmapoliceのレビュー・感想・評価

たかが世界の終わり(2016年製作の映画)
4.2
グザヴィエ・ドラン監督4作目の鑑賞。ラストまで観て「けっこういい方だな」と思った。伝えたいことを言葉に出来ずについつい話はそれて、違う話題やどうでもいい様な話題になってしまう。その挙げ句口論になる。息苦しい・・・・その繰り返し。

「わたしはロランス」のようなカラフルで華やかなシーンは少なく。暗い室内や暗がりでの煮え切らない表情のアップ。窓際に映る寂しげな風景の映像。息苦しいのに惹きつけられてしまう。

12年ぶりに帰郷する主人公の人気劇作家のルイ(ギャスパー・ウリエル)とその家族との交流を繊細に個性的な観せ方で描くドラマ。主な登場人物はルイと兄のアントワーヌとその奥さん、妹のシュザンヌと母の5人に絞られていてシンプルな構成になっている。

音楽(歌の歌詞)がポイントで大きく響く演出になっているのも特徴的だ。OPとEDは強烈なインパクトで映像とのシンクロは凄いもののドラマの内容以上に絶望的で大袈裟過ぎる様な気もした。

現実的にあんな家族の在り方はとんでもなく嫌だけど、映画としては凄く纏まっているし、本当はルイはあのような形ではあるが、家族皆に挨拶出来たのではないかとも思える。

あと言葉で伝えられないという事を結果的には、セリフの多さで説明しているような気もしてしまった。まあ色々考えさせられるかな・・・・。

観ている人が苦しくなったり、悲しくなったり、可笑しくなったり、苛々したりする作品だろうか。つまりはグザヴィエ・ドラン監督が上手いのだけど・・・・。
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