空

たかが世界の終わりの空のレビュー・感想・評価

たかが世界の終わり(2016年製作の映画)
4.6
ああこれは…
まるで自分の家をみるようだった

家を離れて10数年後に久しぶりに帰った家とほぼ同じ感じや

愛がないわけではないのだろう
愛を感じない自分が悪いのだろう

しかしこの家には屋根がないのか
雨がそのまま床を濡らす

ほぼ感じることは同じだ
たまに送る絵葉書
忘れぬ家族の誕生日
しかし家には帰れない

ひどい言葉の応酬
傷つけあう言葉たち
でもわからない人には
わかるまい
あれが家族の愛なのだ

最後まで言いたいことが言えなかったとしても
母も兄も妹も兄嫁も、彼の口から「それ」を聞きたくなかったのだ
それだけなのだ
愛がないわけでは決してないのだ
ただそういう形の家族

愛の形とはなんなのか
家族とはなんなのか

不幸の中に居続ける必要などない
幸せを見つけたらそこにいればいい

ずっと思い続けたこと
全てこの映画が物語る

流れる歌詞もとてもいい

深い孤独を知るのは神だけでいい
眠りについた時に神に涙を拭ってもらえることだけが
それでいいのだと

「たかが世界の終わり」

己の死などこの家族には必要ない
ただ僕が消えるだけだ
それだけのことだと

泣けるわけでもないが

ああわかる

となった
空