ちぃ

たかが世界の終わりのちぃのレビュー・感想・評価

たかが世界の終わり(2016年製作の映画)
3.6
またまたドラン作品。
これもまた見入ってしまった。

人気作家のルイは12年ぶりに実家に帰るのだが、自分がもう直ぐ死ぬ事を伝えにゆく為だった。
母親も、兄も、妹もそれぞれが複雑な気持ちで迎える。

妹は幼かった為にルイとの思い出がなく、才能に恵まれたルイを崇拝している様な様子に、兄は嫉妬している様に見える。
ただの会話なのに兄はいちいち突っかかりぶっきらぼうにその場の空気を悪くする。
嫁と妹に容赦なく暴言を吐く兄。
ルイにも同様拒絶感を隠さない。
物語はひたすら続く感情のぶつかり合い。
息が詰まる。
ルイの穏やかさに反して家族はなんであんなに喧しく喚くのか。
怒鳴り合いの作品がとても苦手なのですが、またもやドラン作品には絶妙なカットや、音楽、映像美があり最後まで引き込まれしまった。
言葉では表さない家族な感情が繊細な表情や撮り方で上手く表現されているのは、ドラン作品の特徴でもあると思うけれど、今回も素晴らしかった。
ちぃ

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