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屍者の帝国のKANIOのレビュー・感想・評価

屍者の帝国(2015年製作の映画)
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うおお、これは凄い!!!
いわゆる「劇場版」とか「小説を原作にした映像作品」としてめちゃくちゃ面白い試みをした作品。

原作からキャラの設定を根本から改変し、不要な人物は削ぎ落とし、纏められる人物は同一人物にし、物語自体も別物に作り変えるという一見かなり強引な劇場版だが、その甲斐もあってか原作と比べてコンパクトな物語として分かりやすく纏められている。

何より、原作そのまま映像化しようとした『虐殺器官』や『ハーモニー』に比べると遥かにクレバーな劇場版だ。

難点として、物語は原作とは別物かつ駆け足なので、原作の魅力だったナラティブ構造で描かれるワトソン達の冒険の中で読者が答えを見つけていく快感が無くなったのは哀しい。
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