灰

屍者の帝国の灰のネタバレレビュー・内容・結末

屍者の帝国(2015年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

映像がキレイで設定も練り込まれており、登場人物も耳にしたことがある名前ばかりで面白かった。世界観の説明を最初にしてくれるのありがたい。

魂は言葉で証明される、という解釈でいいのかな?
ラスト、フライデーとワトソンを見るに、両方とも意思と言葉のある屍者のように見えた。となるとワトソンが旅をしていた頃に戦闘した屍者とは違う、ニュータイプの屍者といえるのだろう。
ワトソンはともかく、フライデー自身が「魂のある屍者」の研究の証明として生きているのは、嬉しくもあり切なくも思った。ワトソンはもうフライデーのことを覚えていないから。

ここで思うのは、魂のある屍者はほぼ人間なのではないか、ということ。戦争に駆り出されていた屍者(ほぼゾンビ)は意思がないから戦士として遣われていたわけで。意志のあるニュータイプ屍者がつくられるということは、人間を戦争へ派遣していた頃と何が違うのだろう。
戦争が無くなることが一番だけど、例えばニュータイプ屍者と従来のゾンビ屍者を分けるとして、何を基準にニュータイプ屍者とゾンビ屍者を分けるのだろう。
個人でつくられることが禁止されている屍者、となると国が判断して戦争用と分けるのだろうか…それって人間を戦争に遣るのと同じなんだよな…
ワトソンが体に閉じ込めたおかげでワトソンとフライデーのみが意志のあるニュータイプ屍者として生きるのだとしたら、それはそれで研究材料にされそうだし、そういう存在がいる限り研究は続くだろうなあ

というモヤモヤする終わり方だった。
灰