ノラネコの呑んで観るシネマ

ハーモニーのノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

ハーモニー(2015年製作の映画)
4.3
伊藤計劃の圧倒的な物語力。
改めて、偉大な才能を失ってしまったものだと実感する。
「虐殺器官」から数十年後、死ぬことすらタブー視される超健康社会に生きる人類。
これはディストピアでもユートピアでもなく、はたして人類の本質とは何かを描き出すための秀逸な舞台装置。
やはり饒舌な作品にはなっているが、原作のボリュームを考えれば、2時間の尺に収めるには台詞に頼らざるを得無ないのは理解できる。
内蔵のような未来都市を始め、映像的には世界観の作り込みで頑張っているし、トァンとミァハのキャラデザも良いんじゃないかと思う。
見応えのある力作だが、これはやはり「虐殺器官ver.2」なので映画も順番に観たかった。
本作単体でも完結しているが、これだけ観るのと、あの話を受けて観るのとではだいぶ印象が違いそう。
「虐殺器官」の方は実質作り直しで来年中公開らしいが、先が長いな。