ハーモニーの作品情報・感想・評価

ハーモニー2015年製作の映画)

上映日:2015年11月13日

製作国:

上映時間:120分

3.4

あらすじ

アメリカで発生した暴動をきっかけに世界を戦争と未知のウィルスのるつぼに叩き込んだ「大災禍(ザ・メイルストロム)」。政府は弱体化し、やがて、人間こそ最重要の公共リソースであると位置づける高度発達医療社会<生府>が立ち上がった。<生府>により、人々は「健康」と「優しさ」を尊ぶ“生命主義”の名の下に、美しく管理されることに。霧慧トァンは“生命主義”への違和感をぬぐうことができず、禁止された酒や煙草を嗜…

アメリカで発生した暴動をきっかけに世界を戦争と未知のウィルスのるつぼに叩き込んだ「大災禍(ザ・メイルストロム)」。政府は弱体化し、やがて、人間こそ最重要の公共リソースであると位置づける高度発達医療社会<生府>が立ち上がった。<生府>により、人々は「健康」と「優しさ」を尊ぶ“生命主義”の名の下に、美しく管理されることに。霧慧トァンは“生命主義”への違和感をぬぐうことができず、禁止された酒や煙草を嗜んでいた。かつて彼女の友達だった御冷ミァハ。成績優秀でありながら、<生府>の管理を憎悪する少女。トァンはミァハに心酔していた。「私たちは大人にならないって、一緒に宣言するの」ミァハの導くままに死を試みる2人。そしてミァハだけが死に、トァンだけが取り残された。それから13年が経ち、ある犯行グループによって同時に数千人規模の命を奪う事件が発生。人々を再び恐怖に陥れる。犯行声明として発せられた彼らの「宣言」は、死んだはずのミァハの思想そのもの…。トァンは事件の真相を求めて立ち上がる。

「ハーモニー」に投稿された感想・評価

映像化は『屍者の帝国』より大変だったのでは。なんとか映像で見せようとはしてるけどどうしても言葉での説明が必要で会話劇中心に。名刺や衣装、色彩のデザインなど良いし、わりと原作には忠実だけど、原作読んでないと分かりにくい気が。しかもそこ改変しちゃうのか……

何となくビジュアル化しやすいように思ってたけど、少なくともこの作品に関しては、伊藤計劃の作品はあくまで文学であったなあと思ってしまう。原作に忠実であればあるほど。沢城みゆき始め声の演技はとても良かったですけどね。あとetmlをちゃんと出したのはエライ。
磐原

磐原の感想・評価

3.7

このレビューはネタバレを含みます

これまで様々な媒体で、伊藤計劃に触れてきた。本作は悪く言ってしまえば、全体的に薄味のヌーヴェルヴァーグ作品のようにノッペリしている。虐殺器官もそうだったが、伊藤計劃作品は素直に映像化するとノッペリしてしまうらしい(伊藤自身が尊敬していた某小島監督のビデオ・ゲームのように)。が自分はもう数年前の読了した原作を思い浮かべながら、何か、感慨深い気分で視聴できた。

つまるところ、この世の対極に存在する地獄を知り尽くしてしまった少女ミァハが世界を滅ぼす(と言っていいだろう)話なんだと思う。憂鬱な話だが、ゼロ年代と共に世を去った(殉死した?)伊藤計劃の視座は広かった、と2017年の現在からいえるだろう。恐らく、これほどまでに究極的な終わり方をした21世紀の物語は中々ないし、このハーモニーの甘さと毒気は衰えていくことはないと思う。スケールデカ目にいえば、今後の21世紀的問題の数々は伊藤計劃的問題と言ってもいいぐらいだ。

映画・ハーモニーは、真面目な映画である。ゆえに問題も多く孕んでいるが、ハーモニー的なヴィジョンというものを怖いほど美麗に示してくれた(ラスト、ハーモニーが完成された時のなんともいえない美学は映画的だ)。再来年で伊藤計劃が去って、10年になる。それまでにこの itoh project の一端を体験できたことを嬉しく思う。
もじお

もじおの感想・評価

5.0
静かで美しいSFアニメーション
綺麗な声で淡々と物語が進んでいくのが心地いい……
目でも耳でも心地いい、他にないアニメ映画
原作未読だけど、映画のこの終わり方がとても好き
原作既読。著者の書く作品の世界観が好きならばきっと大丈夫だと思いますが、初めての人は好みが分かれそうな作品です。活字で追うのと映像で観るのとでは内容の理解に差が出るのは必然だと思いますが、この作品はそれが特に顕著だと思います。初見だと難しそうだなと。それと原作と映画ではエンディングが少し違います。映画の終わり方も好きですが、原作に忠実なものも観てみたかったですね。
まめら

まめらの感想・評価

3.4

このレビューはネタバレを含みます

 セルルックの映像は好き。謎解きとしてはいまいち。ミァハが自分自身の意思で、個人の意思のない世界を選択するというのがアイロニーなのかなあと思った。
humi746

humi746の感想・評価

5.0
凄い作品。とはいえ、抽象的な表現とかも多く、人によって何をどのように受け取るかは異なってくると思う。
映像は静かながら非常に美しく退屈させないし、様々な暗喩的表現が含まれていたと思う。可能なら、じっくりと見て映像分析をしたい作品
jugo

jugoの感想・評価

3.5
原作が読みたくなる映画。管理された世界をどう思うか考えさせられる。
原作小説読まないとちんぷんかんぷんかもしれませんが、
とても濃いアニメ映画です。
KeN

KeNの感想・評価

2.3
フジテレビの録画にて初見。

夭逝したSF作家 伊藤計劃の原作をアニメ映画化した作品。
伊藤計劃の作品は『虐殺器官』は読んだことがあるのだが、この作品は読んでいないので、この物語の世界観が途中までなかなか理解出来ず苦労した…(汗) どうも、日本人が作り出すアニメやSF作品は世界観やストーリーそのものが自己満足的なものが多すぎるような気がしてならない…。まぁ、逆にそこが大きな魅力でもあるのかもしれないが。あと画一的な日本のアニメ特有の美少女キャラが私はどうも苦手かな…
メカや建築・インテリアなどのデザインは非常に繊細かつ洗練されていて、さすがは世界に誇る“ジャパニーズ・アニメ”と感じた。
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