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アーフェリム!のkyokoのレビュー・感想・評価

アーフェリム!(2015年製作の映画)
4.2
ロマ人奴隷の売買という、1850年代まで続いた黒歴史を背景にした皮肉溢れる自虐映画は、出てくる人間ほぼ口悪いのにどこか牧歌的で、まるで人間讃歌のような錯覚を覚える。息子のグダグダの令状読み上げのシーン大好き。司教のユダヤディスりも爆笑だった。

生真面目なまでの信仰心、大国に対するコンプレックス、老いた法執行官には、ルーマニアという国そのものが投影されてるのかしら。
ちょっとポンコツな息子が持つ若さと、世界を見てきたロマの男の視野の広さを、もはや手にすることは叶わない男が抱いた束の間の正義感は、権力の前であっという間に霧散してしまった。

変な帽子に鷹を連れた貴族の出オチ感。
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